国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
2013年12月に東京で開催された日・ASEAN特別首脳会議において、日本政府は新しいアジア文化交流政策を表明しました。それが「文化のWA(和・環・輪)プロジェクト~知り合うアジア~」。このプロジェクトに基づいて、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は「アジアセンター」を設置。今後、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて、日本とアジア諸国との双方向の文化交流を促進、強化するさまざまな活動を展開していきます。
2014年4月15日、「WAプロジェクト」とアジアセンターの発足を記念する式典が東京都内で開かれました。当日は晴天にも恵まれ、250名を越す来賓の方々にお越しいただきました。
式典では、主催者を代表して、安藤裕康・国際交流基金理事長が挨拶の言葉を述べた後、高円宮妃久子殿下よりおことばを頂戴いたしました。妃殿下は、かつて国際交流基金にお勤めされていた故高円宮憲仁親王のおことばを引かれながらお話なさり、「違う文化の中で育ったアジア人同士、時間と空間、経験を共有することは相互理解への土台であり近道」としめくくられました。
続いて、安倍晋三内閣総理大臣が登壇し、「アジアセンターと文化のWAプロジェクトが、心と心のパートナーとして、日本とアジアの国々が一緒に歩んでいくための礎を築くことを信じている」と、力強い祝辞がありました。
その後、レー・ルオン・ミンASEAN事務総長からの祝辞メッセージのビデオレターが紹介され、在京のASEAN各国の大使館を代表して、ケントン・ヌアンタシン駐日ラオス大使による乾杯のご挨拶を頂戴しました。
歓談の時間を挟んで、インドネシアで日本語を学ぶ大学生たちで構成されるミュージカル劇団「en塾」のメンバー3名が、日本と日本人のために作った歌「桜よ~大好きな日本へ~」を披露しました。安倍昭恵総理夫人からは、この歌のように、心と心の交流の輪がアジア、世界へと広がっていくことを期待します、というお祝いの言葉をいただきました。
安藤理事長が冒頭挨拶で述べたとおり、「日本文化を紹介するだけではなく、アジアの国々が各々のアイデンティティと多様性を尊重し合って相互に交流しながら、共同で新たな文明を創造していく。そのために日本らしいやり方で、最大限の貢献を行っていく」ことを目標に、関係者一同、力を尽くしていく所存です。
安藤裕康・国際交流基金理事長より挨拶「東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年に向けて、芸術文化の双方向の交流と日本語の学習支援を強化していく」
安倍晋三内閣総理大臣は、就任1年でASEAN10カ国を全て訪問。2013年12月の日・ASEAN特別首脳会議では、ASEANと日本の未来に向けたビジョン・ステートメントが採択された
レー・ルオン・ミンASEAN事務総長からの祝辞メッセージ
(左)ケントン・ヌアンタシン駐日ラオス大使より乾杯のご挨拶
(右)安倍昭恵総理夫人も祝辞を述べた
(写真:コタニシンスケ)
"日本語パートナーズ"派遣事業~日本とアジアの架け橋~
アジアセンターでは、アジアの中で、人と人とをつなげ、ネットワークをひろげ、アジアの文化をともにつくることを目指します。2020年までに、音楽、演劇、映画やスポーツから日本語教育、学術まで、さまざまな分野で事業を実施しながら、アジアの人々の交流活動をいろいろなかたちで応援していきます。そのひとつが"日本語パートナーズ"派遣事業です。
"日本語パートナーズ"はアジアの日本語教育の現場で、現地の先生をサポートしながら日本文化の紹介をし、その生徒や地域の人たちとの交流を通じて派遣された国のことを学びます。
期間は約半年から1年。2014年度はASEAN(東南アジア諸国連合)10か国のうち5か国へ、約100名の日本語パートナーが向かいます。今後は段階的に派遣する国や人数を増やしていく予定です。