日本文化を知り、新しい技術で教材開発 ~2010年度 米国日本語教師研修~

長谷川雅代
国際交流基金
日本語国際センター 教師研修チーム

2010年6月18日から7月17日までの4週間にわたって、米国で日本語を教えている先生方の研修を、米国日本語教師会連合(Alliance of Associations of Teachers of Japanese)と共催で、国際交流基金日本語国際センター(埼玉県・浦和)にて実施いたしました。


小学校訪問(米国に関しての授業)


小学校訪問(米国に関しての授業2)

米国では現在、外国語教育への予算削減がされているため、日本語教育においても基盤強化が必要とされています。そのためにも初・中等教育と高等教育に至る日本語教育を連携させたり、整合性を持たせたりすること(日本語教育の連結(Articulation))や、地域や州を越えた連携が重要となってきています。また近年、初中等教育の現場では米国ナショナルスタンダーズ(※)が取り入れられ、日本に関係する歴史、文学、文化等を外国語教育に結び付けた授業を行うことが求められています。そのためには教師自身がそれらの知識を身につける必要があります。


小学校訪問(先生との座談会)

こうした状況のもと、米国各地の小学校、中学・高校、そして大学で日本語を教えている先生方20名が研修に参加しました。日本語の授業に日本文化を取り入れること、最新のウェブ・テクノロジー(Google Docs等)を使った日本語教材を開発することを目的として、J-POPや日本のマンガ・アニメなどの日本文化についての講義や落語などの実演、アメリカの言語教育の現状についての講義、研修旅行、小学校訪問等の課外活動など、様々なプログラムが組まれました。

研修の最終課題は、今回の研修で紹介されたウェブ・テクノロジーを使い、2~3名でグループを作って、実際に教室で使える教材を開発することでした。「湯の文化」「少子化と男女の役割」「絶滅の危機にある動物」「就活」といったような興味深いテーマでの教材が開発されました。


靖国神社訪問

研修参加者からは、「自分たちが思い描いていた日本とは違った日本に出会えた」「新しいウェブ・テクノロジーを活用した授業をこれから行なっていきたい」等の声が寄せられました。

※米国ナショナルスタンダーズとは

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