バンコク:現代アートを通じた日タイの交流とネットワーキング

バンコク日本文化センター

topic_0805_bangkok.jpg「ジム・トンプソン」は、タイシルクのブランドとして有名ですが、同氏を記念し設立された財団が支援するジムトンプソン・アートセンターが、日本とタイの現代アート展「トムヤム・プラディップ」を3月19日から6月5日まで開催中です。出展は、日本側が奈良美智、森村泰昌、小沢剛、鈴木良太、タイ側はアピチャートポン・ウィーラセタクン(映画作家)、チャルパット・アーチャワーサミット(若手ファッションデザイナー)、ウィスット・ポンニミット(漫画家)ら錚々たる作家たち。

当センターは、アートセンターが実施する関連教育プログラムのセミナー「JAPANESE ART AND CULTURE: INSIDE OUT/OUTSIDE IN」を支援しました。参加パネリストは、長谷川祐子(東京都立現代美術館)、片岡真美(森美術館)、黒田雷児(福岡アジア美術館)の3氏で、いずれも国内的、国際的に活躍する日本を代表するキュレター。各美術館ともアジアの作家の紹介に熱心に取り組んでいます。お三方は、それぞれの視点から日本の現代アートの状況や美術館の取組みを熱く語ってくれました。いま日本のアート状況はさまざまなジャンルが複合して展開していること、パフォーマンス志向や政治志向のアーティストの活動ぶり、欧米アートの文脈における日本アートの位置づけ、アーティストの世代論的視点、地方に依拠するアーティストの運動などなど、興味深い洞察や実例が紹介され、そのあと聴衆(約90人)との質疑応答がありました。

タイを含めアジアでは、コンテンポラリー・アートに対する関心が高まっています。当センターでは、イベント支援だけでなく、交流の背景や意味をさぐる機会を設けたり、アーティストと共にキュレターなどアートを支える人たちのネットワークをひろげることが重要と考えています。その意味でも、今回の催しの実現に尽力したクリティヤ・カウィーウォンさん(Artistic Director)ほかアートセンターの運営スタッフに敬意を表したいと思います。

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