スティーブ・アクレソ・ボジョナ(駐日トーゴ共和国大使館 臨時代理大使)
国際交流基金関西国際センターでは、諸外国の外務省や政府機関の若手職員で、日本での勤務が予定されるなど日本語の習得が必要な人を対象とした「外交官・公務員日本語研修」を実施しています。研修内容は、日本語学習、日本の社会・文化等の理解、人脈形成となっており、8ヶ月間にわたります。
2009年度、当プログラムに参加し、現在は、駐日トーゴ共和国大使館 臨時代理大使を務めるスティーブ・アクレソ・ボジョナ氏に、日本語学習の喜びや苦労、また関西国際センターで出会った先生方や各国の仲間達との思い出、さらに東京にトーゴ共和国大使館を設立した際の苦労などについてお話しいただきました。
ボジョナ氏は、外交官として精励するかたわら、日々の出来事や経験からインスピレーションを受けて、日本語でも詩作に取り組んでいます。「日本とトーゴ」と題した両国への熱い思いをこめた詩もご自身で朗読してくださいました。インタビューの模様を、ぜひ、動画でお楽しみください。
トーゴの臨時代理大使ボジョナと申します。
日本語はどうやって勉強しましたか?
日本に来る前に、少しだけ日本について学びました。(来日前に)国際交流基金からいくつかの教材が送られてきました。その中にはひらがなとカタカナがありました。
「これを書けるようになるのか?」というのが私の最初の疑問でした。すごく難しいことのように思え、何度挑戦してもうまくいきませんでした。
しかし、国際交流基金関西国際センターの先生がとてもプロフェッショナルだったことにとても驚きました。1週間か2週間の間に、生徒全員がひらがなとカタカナを書けるようになったからです。ひらがなとカタカナは英語やフランス語のABCDを書くのと同じぐらいになりました。
関西国際センターでの思い出を教えてください。
2009年に関西国際センターに来たときは、25カ国から外交官や公務員の方々が集まり皆一緒に勉強したり、散歩したり、カラオケルームで遊んだり、何でも一緒にして、良い家族のようになりました。
このプログラム(「外交官・公務員日本語研修」)は本当にユニークなプログラムです。
トーゴ共和国大使館を立ち上げたときの苦労はありますか?
大使館を設立してからまだ日は浅く、2010年の10月に立ち上げたばかりです。
その時は大使館にスタッフもいなかったので、一人でなんでも準備しなければならない。当時は本当に大変でした。
でも関西国際センターのプログラムのおかげで、立ち上げることができました。日本語がわからないと、多分できなかったと思います。
日本語を学ぶ人たちにアドバイスをください。
プログラムが終わって、国へ帰っても、日本語の勉強はいつも続けてください。
それは大切です。関西国際センターで、みんなで良い家族をつくることができたので、そのことを忘れないでください。
自作の詩を聞かせてください。
『日本とトーゴ』抜粋(2012年1月5日、東京にて)
アジアにある国、日本
アフリカにある国、トーゴ
おもてなしの国
平和の国
場所は、遠い
でも人々の心の中に、もっと近い
アジアにある国、日本
アフリカにある国、トーゴ
外交関係のパートナー
トーゴってどんなところですか?
私の国トーゴは地理的には西アフリカに位置し、
微笑みの国と呼ばれています。
日本の皆様に来て頂き、トーゴのことを知って頂きたいです。
スティーブ・アレワビア・デラリ・アクレソ・ボジョナ
Steve Aléwabia Délali Aklesso BODJONA
駐日トーゴ共和国大使館 臨時代理大使。1982年9月21日生まれ。ロメ大学(トーゴ)法学部修士課程修了。トーゴ国立行政学院修了(外交専攻)。トーゴ共和国外務省に勤め、2009年9月から2010年5月まで「外交官・公務員日本語研修」を受講。トーゴ共和国に帰国した後、再び来日し、トーゴ共和国の在日大使館の開設に貢献。その後もトーゴ共和国の音楽や食事など文化を精力的に紹介し、日本とトーゴ共和国との架け橋として活躍している。