富岡順一
文化事業部
イムダドゥル・ホク・ミロン氏
市民青少年交流の中の異文化理解の一環として実施した「開高健記念アジア作家講演会シリーズ」をご紹介します。
「開高健記念アジア作家講演会シリーズ」は開高健氏のご遺族からよせられた志により、日本で紹介される機会の少ないアジアの文学を紹介する目的で1990年より毎年アジアの作家を招待し開催している講演会です。
第15回となる今年は、バングラデシュの人気作家のイムダドゥル・ホク・ミロン氏を招待し、広島・東京・大阪・仙台で2006年3月12日から21日にわたり講演会を開催しました。
日本でバングラデシュがあまり知られていないこともあり、各地での講演会で「バングラデシュを理解する良い機会であった」「バングラデシュの人から直接話を聞けて有意義な講演だった」「ベンガル語が心地よい響きであった」という声を多くいただきました。
私も1971年のパキスタンからの独立が「ベンガル語を守る」ことが一つの力となっていたことをこの講演会で初めて知りました。
また、独立からその後の苦難の道を経験したミロン氏とお会いし、握手をした時に感じたのは、彼の力強さの中にやさしさを持った目でした。やさしい目と、美しい旋律を思わせるベンガル語で語りかける姿は、未来の光・希望を感じさせるものでした。
異文化の理解も直接語り合うことでより深まります。私たちもそのような機会を多く作りたいと考えています。
東京会場(ジャパンファウンデーション国際会議場)での講演会のもよう