サンパウロ日本文化センター
今回の東日本大震災では、ブラジルでも地震発生直後からマスコミが連日報道し、サンパウロ日本文化センターには、各方面からお見舞いや日本の人たちの安否を気遣う声、「力になりたい」という激励のメッセージが数多く寄せられました。
そんな中、今年2月にセンターとの共催で狂言公演を実施したガゼタ劇場から、日本のためにチャリティコンサートを実施したいとの申し出がありました。ブラジルの皆さんの温かい気持ちをなんとか形にして日本に届けたいという思いから、公演実施に向け、各アーティストとの調整や広報など、出来る限りの協力を、センターでは行いました。
呼びかけに応えて集まってくれたボランティア・アーティストは、日系・非日系の区別なく、筝(そう)、太鼓、尺八、ギター、チェロなど奏者約50人。そして4月17日に実施された公演では、伝統曲、民謡、数え歌といった家族で楽しむことのできる日本の音楽が、多彩な楽器によってジョイント演奏されました(邦楽に馴染みのない来場者向けに、その特徴や楽器の説明を付け加えるコーナーなども実施)。特に、和太鼓によるサンバリズムの演奏に来場者は大いに盛り上がり、フィナーレには全演奏者が舞台に立って「ふるさと」を演奏。この時には、会場では涙している方もいました。
当日はブラジル赤十字の協力により募金ブースも設置され、サンパウロ市のジルベルト・カサビ市長も駆けつけ、約400人が詰めかけた本公演は、ブラジル内外の新聞やテレビなど各種メディアでも取り上げられました。この公演以外にも、ブラジル国内では日本のために様々な慈善事業が行われ、支援の輪は今も広がっています。こうした皆様の善意が今後の日本の復興を後押ししてくれるものと信じています。