ベトナム日本文化交流センター
3月23日、ベトナム国家大学ハノイ人文社会科学大学の教職員・学生500人が集まって、同月11日に起きた東日本大震災の被災者を悼み、復興を応援する会が開催されました。
ベトナムでもテレビや新聞などで、地震や津波による被害が報じられ、大変深刻な災害が起きたことが認識されていました。同大学には東洋学部があり、今年で設立16年目。以前より、日本政府、JICA、国際交流基金、そのほか日本の大学や企業からの支援を受けており、関係も深かったこともあり、日本の友人たちの災害を気遣う気持ちが高まっていました。
この会では、犠牲者への1分間の黙祷のあと、学生が編集した震災VTRの上映、日本学科の学生による日本の地理や文化、そして千羽鶴の由来(原爆で被災した少女・佐々木禎子さん)の紹介がありました。その後、参加者全員が鶴を折って、あらかじめ折っていた鶴と合わせ1万羽の折り鶴が激励の寄せ書とともに、日本側に手渡されました。同じベトナム国家大学の自然科学大学が福島大学との協定があり、交流も盛んなことから、主催者側の希望で、折り鶴と寄せ書は福島大学に届けられました。
ある福島大学生の書いたブログを見つけました。
「私は福島県南相馬市の出身なのですが、家族や友人と会えていない状況が長く続き、『自分はひとりぼっちなのではないか』と思うことが、この3週間の間に何度かありました」
「学生課の前に、きれいな折り鶴とメッセージが飾られていたのを見つけました。世界中が心配してくれて、祈りをささげてくれていることに改めて気付かされました」
ベトナムの多くの人々が祈りを捧げ、被災者を支援してくれています。震災直後、「なぜ略奪は起きないか」「サムライの心」など、規律正しい日本人を賞賛する報道もめだちました。今後、日本の復興と未来を創造する取り組みを世界の人々にきちんと発信していきたいと思います。
photo: tuoitre online
ベトナム日本文化交流センターが受け取った折り紙
会場には多くの学生が集った
真剣に折鶴を折る参加者たち
届けられた応援メッセージ