(c) The Japan Foundation
2009年10月、アメリカ西部5都市(ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトル、ポートランド、デンバー)を巡回する「歌舞伎レクチャー・デモンストレーション」事業を実施しました。歌舞伎は「SUSHI」同様に「KABUKI」として英語化されているほどアメリカ国民に浸透しています。 しかしながら一般のアメリカ人にとっての歌舞伎は高額なチケット代を支払って観るほど理解されているものではないのが現実です。この事業は歌舞伎の成り立ちや舞台スタイルの分かりやすい解説と、実際の歌舞伎名場面の一部を実演することによって、多くのアメリカ人が歌舞伎のエッセンスを手軽に理解する場を提供するものです。
松竹株式会社による製作で歌舞伎役者の中村京蔵氏と中村又之助氏、7名の演者の方々、そしてスタッフあわせて14名が本事業のために渡米しました。講演では歌舞伎の歴史や文化のほかに、音楽の解説や歌舞伎の大きな特徴となっている「女形」についての説明があり、また実際に役者の化粧から衣裳をつける様子まで披露されました。通常レクチャー・デモンストレーションでは生音演奏はありませんが今回は特別に4名の長唄と3名の鳴物が加わり、本当の歌舞伎の醍醐味を味わえるのと同時にめったにみることができない歌舞伎の舞台裏を知ることができる貴重な機会となりました。公演は『鷺娘(さぎむすめ)』と『石橋(しゃっきょう)』を上演し、観客を魅了しました。
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今回、ロサンゼルス公演は南カリフォルニア日米協会100周年事業の一環として開催され、昼夜の2回公演となり、残る4都市は1回のみでしたが、いずれの会場も満席となり、合わせて4,000席以上がうまる大盛況な事業となりました。