マニラ日本文化センター
マニラ日本文化センターでは、ドイツのゲーテ・インスティテュート、スペインのセルバンテス文化センター、フランス及びイタリア大使館と共催で、7月30日~8月24日に「第3回国際サイレント映画祭」を開催しました。
サイレント映画は、オーケストラやバンドによる生伴奏とともに上映されていたもので、特に日本では活動弁士がせりふを朗読していました。この国際サイレント映画祭では、こうした上演形態をヒントに国際交流の要素を付け加えるため、英語字幕をつけた映画にフィリピンの音楽家による生演奏をつけて上映します。
第3回目を数えるこの映画祭に毎回参加している各国文化機関や大使館は、コーラスグループやロックバンドなど、映画を盛り上げるバンドの選択に趣向を凝らしています。今年は、ラップやハウス・ミュージックのバンドやDJによる伴奏もあり、若い観客たちがラップのリズムに乗って体を揺らしながら、白黒のサイレント映画を観るという、一見異質ながらも上手く調和した映像と音楽のコラボレーションによって、会場全体に何とも不思議な雰囲気が生み出されていました。
マニラ日本文化センターでは、鼠小僧をテーマにした「御誂治郎吉格子」(伊藤大輔監督・脚本、大河内傳次郎主演、1931年)に、Kalayo Bandによる、フィリピン伝統楽器等を用いた情景豊かな生伴奏をつけて上映し、上映後には席を埋め尽くした観客から喝采を得ました。また、日本のサイレント映画の収集や修復、DVD化を行なう、Digital Meme社のラリー・グリーンバーグ氏を招き、日本のサイレント映画の歴史についての講演を行なっていただきました。
様々な国の文化交流機関や大使館が共同で企画する事業として、今後も継続して実施してゆく予定です。