ロンドン日本文化センター
4月で新事業年度を迎え、これから一年間の英国向け主催事業と助成事業の大枠を踏まえ、スタッフ一同、気分一新して個別事業のフォロー、新規プロジェクトやネットワークの開発などに取り組んでいます。
昨年度は日英外交関係樹立150年という節目の年であることから、ロンドン日本文化センターでは各種の日英交流プロジェクトJapan-UK150の実施に取り組んできました。この観点から「Movers & Shapers」レクチャーシリーズを立ち上げましたが、年度後半の10月は古事記の英訳でも知られる明治期の東京帝大教師の英国人バジル・ホール・チェンバレンについて、ケンブリッジ大学バウリング先生の講演会、2月は明治維新前夜に英国に渡り、幕末・維新史にも名を残した長州藩留学生たち(長州五傑)について、ノッティンガム大学のコビング先生の講演会を行ないました。また、映画「長州ファイブ」を英国5都市に巡回した日本映画上映会のラインアップ作品にも加えました。150周年記念のレクチャー事業は、幕末に横浜で創業したフレデリック・コーンズ特別イベントを含め、今年末まで続きます。その他、ロンドンの聴衆向け事業として、詩人宮沢賢治(東京工業大学 ロジャー・パルバース先生)、神田祭(東京大学 木下直之先生)についての講演会や英国の演出家や役者との協働作業で、劇作家鴻上尚史(こうかみ しょうじ)さん作の『ハルシオン・デイズ』ドラマリーディングならびにワークショップ&トークを、鴻上さんを交えて行ないました。
また、日英文化関係に安定的で着実な基盤を提供し、日本の文化社会の良き理解者の裾野拡大をめざす中長期的な営みとして、当センターの重要事業である日本語教育分野の多種多様なプロジェクトを実施しました。ロンドン言語教育見本市への出展(11月)、全世界規模で行なわれる日本語能力試験(12月)、大学生のためのスピーチコンテスト(2月)、コメディーやミステリーを題材にした上級日本語講座第2期と3期(11月、2-3月)、日本語教育導入セミナー(2月)、日本語教育ボランティア教師研修会(3月)のほか、英国日本語教師会、英国文化・教育・試験機関との各種の共催セミナーなどです。
さらに、欧州で最大規模の日本語教育に関する図書資料センターとして、当センター図書館を通じたサービスも日本語教育支援、日本文化社会理解推進の観点から、ロンドン日本文化センターのとても大事な仕事の一部となっています。