日本とメキシコは遠く太平洋をはさんで位置していますが、16世紀の終わり頃にはメキシコ人が日本に上陸した記録が残っています。当時のメキシコはスペインの植民地でしたが、同じくスペインの植民地であったフィリピンとの間で交易がおこなわれていました。そのため、メキシコ人の宣教師が日本まで渡って布教活動を行なったこともあります。
また、江戸時代に入った1609年にはフィリピンからメキシコに向かっていた船が暴風雨のため千葉県御宿の海岸に座礁。乗り組んでいたメキシコ人らは地元民の救護を受け、徳川幕府は帆船を建造して一行をメキシコに送り出しました。2009年はこの出来事から400周年に当たります。また、2010年はメキシコ独立200周年、メキシコ革命100周年に当たります。そこで、2009年から10年にかけてを「日墨交流400周年」と名付け、両国間の長い交流の歴史を振り返るとともに、今後の相互理解と交流の更なる発展を目指して、双方の国において様々な文化交流事業や記念事業が実施される予定となっています。
去る2月24日には、この「日墨交流400周年」のメキシコにおける最初の記念事業として、メキシコ連邦下院においてオープニング行事が行なわれ、その一環として、在メキシコ日本大使館、メキシコ連邦下院および国際交流基金メキシコ日本文化センターの共催による、日墨交流400周年記念講演会を実施しました。
講演会の講師には、メキシコの歴史や中南米研究の分野で大きな実績をお持ちの京都外国語大学教授大垣貴志郎氏をお招きし、御宿の海岸への漂着に始まる日本とメキシコとの交流の歴史についてお話いただきました。
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では、日墨交流400周年関連事業として、2009年および10年にかけてこの他にも様々な事業を展開していく予定です。