去る1月29日、平成20(2008)年度ジャパンファウンデーション助成ドキュメンタリー作品「TOYO's CAMERA(邦題:東洋宮武の覗いた時代)」の特別上映会と記者会見が、ロサンゼルス日本文化センターで行なわれました。日系アメリカ人とは19世紀前半から太平洋を渡って移住した日本人の子孫で、現在全米に約120万人いるといわれています。太平洋戦争中は、敵性外国人として西海岸地区に住む日系人の大半が強制的に収容所に送られ、不自由な生活を強いられました。
この作品は強制収容所の中にレンズを隠して持ち込み、鉄条網の内側を撮影した日系移民一世のカメラマン、トーヨー・ミヤタケの写真を通して、米国日系人社会の苦悩の歴史を描いたドキュメンタリーです。LA在住のすずきじゅんいち監督が企画し、制作はロサンゼルスに本社がある日系テレビ放送局UTBが、全編の音楽はグラミー賞受賞ミュージシャン、喜多郎氏が担当しました。
すずきじゅんいち監督、トーヨー・ミヤタケの長男のアーチー・ミヤタケ氏、喜多郎氏が参加したこの記者会見には、伊原純一在ロサンゼルス総領事をはじめ日系人有力者、地元メディアと日本からのメディアが50名ほど参加し、日本人監督が手掛けた日系人ドキュメンタリー映画として高い関心を集めていました。また、このイベントはロサンゼルス日本文化センターのお披露目イベントとして、ジャパンファウンデーションの事業の紹介を同時に行ないました。
なお、本作品は今春米国ではサンタモニカとロサンゼルスダウンタウン、日本では東京と横浜で一般上映が行なわれる予定です。