観客の質問攻め、サイン攻めにあう演奏家たち。2008年1月、デリーで邦楽公演の終了直後の光景です。すばらしい演奏に興奮したインドのお客さんは、ステージをかけのぼり、演奏家に感謝を述べたり、楽器を見てはあれこれ質問したりしています。インド人の反応はいつも分かりやすい。今回の邦楽演奏の響きは、確かにインドの人の心に届いたようです。
ニューデリー日本文化センターでは、2008年1月に津軽三味線の福居典美・一大姉弟、篠笛の狩野泰一氏、ピアノの鈴木裕子氏を招き、シュリラムセンター劇場にて公演をおこないました。2007年日印交流年(07年1月~08年3月)のトリを飾るイベントとして、ニューデリーのほか、日本大使館・総領事館の協力を得てムンバイ、コルカタ、チェンナイを巡回し、各地でそれぞれ好評を博しました。
このように、ニューデリー日本文化センターでは、首都ニューデリーに住むインドの人々へ"日本"を伝える仕事に取り組んでいます。また同時に、地方都市やさらに周辺の国々にも出掛け、日本文化を紹介しています。
3月には、パキスタンのイスラマバードとラホールへ、華道草月流のインド人師範を派遣し、デモンストレーション及びワークショップをおこないました。政治的にはライバル関係にある印パ両国ですが、もともとは同じひとつの地域。日本の生花はニューデリーでもイスラマバードでもそれぞれおこなわれています。日本文化を通じた国際親善、といったら言いすぎでしょうか?!
今、ニューデリーは夏休みシーズン真っ盛り。5月半ばから7月初めまで気温40度を超える暑さのため、学校は休みに入り、家族で避暑やバカンスに出掛けてしまう人たちも多く、毎年ニューデリーはこの時期少し人口が減っています。しかしながら、ニューデリー日本文化センターは、酷暑にも負けず"夏休み企画"と題し、6月18日及び25日に書道ワークショップをおこないます。2007年日印交流年は3月をもって無事終了しましたが、日本とインドの交流に終わりはありません。ニューデリー1,300万人、インド10億人を相手に、これからも"日本"を売り込んでいきます。