ニューヨーク:スポットライト・ジャパン:現代日本の英訳戯曲リーディング

ニューヨーク日本文化センター

topic_0710_ny.jpgニューヨーク日本文化センターでは、去る9月29日、ニューヨーク市立大学(CUNY)大学院演劇センターとの共催により、「スポットライト・ジャパン」と題する現代戯曲のリーディングを行いました。日本で注目される劇作家の新作、松田正隆『アウト・ダ・フェ』、岡田利規『エンジョイ』、矢内原美邦『青の鳥』を日米両国の演劇人の手で英語に翻訳、その成果の一端をニューヨークの先端的な前衛劇団の俳優がリーディング上演(台本を持ちながら試演)しました。

当日は日本から劇作家本人も参加し、リーディングに立ち会ったほか、各劇団のアメリカ人演出家とともに、観客との質疑応答にも応じました。英語で試演された3作品は、日本語の原作になるべく忠実なアプローチで迫るものから、原作のテキストを演出家が創造的な解釈を試みるものまで、それぞれにユニークな魅力を放っていました。年配の観客から「若い世代の皆さんにとって、やはり文化の差異はまだ大きいと感じますか」と質問が出ると、壇上の劇作家や演出家は「インターネットの普及で世界が共通事項で結ばれているという感覚はあるが、文化に固有のものが完全に解消されることはない。文化の差異を埋める中で新しいものを生み出す努力は常に必要」と異口同音に応えていました。

ダンスや音楽に比べると、演劇は言葉の壁があるため外国への紹介が難しいジャンルですが、ニューヨーク日本文化センターでは今後とも、日米両国の演劇人が交流するきっかけを作り、日本の演劇作品のアメリカへの紹介に取り組む予定です。11月19日には宮沢章夫『ニュータウン入口』がジェイ・シャイブの演出により試演されます。

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