2024.11. 1
アートの本質的な価値のひとつに、今の社会の在り方を根本的に見つめなおし、新しい視座を与えてくれることが挙げられます。今回の特集では、「属性に関係なく、個々の存在には、それ自体に価値がある」という信念に基づいて作品を生み出しているアーティストや、その活動を支える担い手に焦点をあて、国や違いを超えて多様な背景をもつ人たちとの協働から生まれるアートの世界をご紹介します。
近年、ダイバーシティやインクルージョンといった考えが重視されていますが、多様な背景をもつ人が生きやすい社会とは、つまり、どんな人にとっても生きやすい社会といえるのではないでしょうか。本特集が、世界の住民としての自分自身や、社会のありかたについて見つめなおすきっかけになれば幸いです。
Feature Story ―今日も世界のどこかで
「共に・置かれた・世界の住民」
―第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の現場から―